写真:上原 弘久
共有価値の創造を通じ、
社会とともに成長する企業グループをめざして
~サステナブルな社会の実現に向けた行動~

株式会社T&Dホールディングス 代表取締役社長
上原 弘久

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により顕在化した世界の課題

2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、人類社会全体に甚大な影響が生じており、未だその収束への見通しも立たない状態となっています。新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げるとともに、影響を受けられた多くの方々にお見舞い申し上げます。

新型コロナウイルス感染症による影響は、感染による健康面への影響に留まりません。感染拡大防止のため世界各国において渡航制限や経済活動の制限が実施された結果、多くの国の企業活動や個人の社会活動にマイナスの影響が生じています。その結果、経済的・社会的ショックに対し脆弱な立場にいる方々が多くいることも、浮き彫りになったと考えます。

このような事態となったことにより、大きな危機に対処し人類社会が発展を続けるためには、世界全体が協力して社会的課題を解決し、よりレジリエントでサステナブルな社会を構築することが重要であることを、多くの人が実感したことと思います。

その実現のために、社会的課題解決の枠組みであるSDGsの達成は、従来以上に重要なものとなったと考えます。今後、当社を含む世界中の企業は、今までの取組みに加えて、ウィズコロナ/アフターコロナの世界において社会から求められる進化した商品・サービスを提供することにより、それぞれの事業活動を通じてSDGsの達成に貢献していく必要があります。

共有価値の創造/SDGsへの貢献

T&D保険グループは、2019年度を始期とする中期経営計画「Try & Discover 2021共有価値の創造」に取り組んでいます。この中期経営計画では、「コアビジネスの強化」と「事業ポートフォリオの多様化」を通じ、「絶えず変化する人と社会の課題の解決に貢献することで、社会とともに成長する保険グループをめざす」ことを、全体方針として掲げています。目指すグループ像には、共有価値の創造を中心に置き、当社グループの強みを活かした「共有価値の創造」の主なテーマを定め、事業領域を広げて社会に価値を創造していくことを表明しています。

この中期経営計画の策定に際し、私自身が委員長を務めるグループSDGs委員会において、SDGsの17の目標と169のターゲットから、当社グループが強みを活かして解決に貢献できる社会の課題を抽出し、当社グループが取り組む4つのサステナビリティ重点テーマを選定しました。これらのテーマは、中期経営計画に記載した事業を通じた「共有価値の創造」により実現していきます。

ウィズコロナ/アフターコロナの世界においても、社会的課題の解決に貢献しサステナブルな社会を実現すること、社会に価値を創造することで当社グループも企業として持続的に成長していくことを経営計画全体を貫く方針とし、日々の事業に取り組んでいきます。

T&D保険グループCSRの軌跡
																									2004 T&Dホールディングス設立
																									2005 CSRレポート発行
																									2006 グループCSR憲章施行
																									2007 国連責任投資原則(PRI)署名/太陽生命
																									2011 グループCSR委員会設置
																									2012 国連責任投資原則(PRI)署名/T&Dアセットマネジメント
																									2014 21世紀金融行動原則署名
																									2015 国連グローバル・コンパクト署名、パリ協定採択、SDGs合意
																									2016 国連責任投資原則(PRI)署名/大同生命
																									2017 GPIFがESG投資を開始、TCFD提言
																									2019 グループCSR委員会をグループSDGs委員会に改編
																									2020 気候変動リスク対応専門部会設置、グループ人権方針制定
																									共有価値の創造を目指す経営を明確化
世界と共有する思い

新型コロナウイルス感染症のほかにも、世界中の国家・企業が協力して取り組むべき社会的課題が多く存在します。気候変動に起因する大型台風や集中豪雨などの自然災害の頻発、被害拡大は、わが国だけでなく広く世界が憂慮しているところです。ほかにも、さまざまな人権の課題、社会的・経済的な格差の拡大、技術革新が産み出す新しい格差や雇用の変化、多くの先進国が向き合う少子高齢化の進展に伴うさまざまな困難など、多くの社会的課題があることは世界が共有する認識でしょう。

当社グループは、2015年に、国連が提唱する持続可能な成長を実現するための国連と企業の協力の枠組みである、国連グローバル・コンパクト(United Nations Global Compact)の理念に賛同。T&Dホールディングスがグループを代表して、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野10原則を支持する国連事務総長宛の書面に署名して、グループとして責任ある行動をとる活動に参加しています。

また、国連が機関投資家にESG(環境・社会・企業統治)を考慮した投資を促す行動規範である、「責任投資原則(PRI)」には、太陽生命が国内生保で初めて2007年に署名。T&Dアセットマネジメントは2012年、大同生命は2016年に署名し、グループをあげてESG投資の分野でもサステナブルな世界の実現に貢献する取組みを進めています。

パリ協定で、世界が協力して取り組むことに賛同した気候変動の緩和と適応への取組みには、幅広い事業活動の中での温室効果ガス排出量を削減する取組みと、機関投資家としての緩和と適応に貢献する取組みを続けています。また、金融安定理事会(FSB: Financial Stability Board)によって設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD: Task Force on Climate-related Financial Disclosure)の提言に賛同を表明するとともに、わかりやすい気候関連財務情報の開示に積極的に取り組んでいます。

人権の尊重に関しては、グループCSR憲章においてすべての人の人権の尊重を表明し、従業員の人格と多様性の尊重、健康で安全に働ける環境づくりに取り組んできました。2020年7月には、国連人権理事会によるすべての国家および企業を対象とした行動基準「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、当社グループの人権尊重の考え方について表明する「T&D保険グループ人権方針」を制定しました。また、女性が従業員の多数を占める当社グループにあって、女性の能力発揮は持続的な企業価値向上のための重要な経営課題です。女性の活躍を支援する取組みは、人事・処遇制度の改革、ワーク・ライフ・バランスの推進、能力開発の支援など、多面的、継続的に進めています。

写真:上原 弘久
T&D保険グループの果たすべき責任とサステナビリティ

当社グループは生命保険事業をコアビジネスとしています。生命保険事業は国民生活の安定・向上、経済の発展およびサステナブルな社会の実現に密接な関わりを持つ公共性の高い事業です。当社グループもその事業活動を通じて社会に貢献する責任を有しています。

その責任を果たすために、当社グループ自身のサステナビリティを高め、安定的な成長を続けることが必要と認識しています。ウィズコロナ/アフターコロナの世界のあるべき姿は、単にビフォーコロナの世界への回帰ではなく、SDGsの達成された従来以上にサステナブルな世界であり、また、その達成に向けて国家・企業・すべての人々が互いに協力する姿が現実のものとなった世界であると考えます。その実現に向け主体的に行動していくことが、当社グループにとって挑戦すべき新たなビジネスチャンスになります。私たちT&D保険グループは、常に社会と価値を共有し、社会とともに持続的に成長する保険グループであることを目指し、これからも一歩一歩、その歩みを続けていきます。

2020年9月