T&D保険グループは、事業活動に関わるさまざまなサステナビリティの分野から、社会にとっての重要度が高く、また当グループの事業との関連が大きい社会的課題の優先度を確認し、重点的に取り組む4つのサステナビリティ重点テーマを以下のように定めました。
重点テーマ選定のプロセス
①重要な社会的課題の抽出
保険事業を事業の中心に置く当グループへの社会の期待や、当グループがサステナブルな社会の発展にどのように貢献できるのかを考え、対象となる社会的課題を検討しました。
検討にあたっては、SDGsゴール・ターゲット、グループサステナビリティ憲章、社会環境の変化、技術革新動向等から、当社の方針・商品・サービス、当社のビジネスモデルと関連する、40の(重要な)ターゲットに関連する社会的課題を抽出しました。
②重要な社会的課題に対する取組みの特定
重要な社会的課題に対して、当社の事業活動、および重要な事業基盤・サステナビリティ経営基盤を通じて、社会的価値を高めるため実施された取組みを特定しました。
③取組みにより実現される共有価値と対応するサステナビリティテーマの特定
重要な社会的課題に対する取組みとこれによりインパクトを及ぼす共有価値を特定しました。共有価値創造を実現するため、取組課題の領域と取組方法の視点から、グループサステナビリティ推進のテーマを設定しました。
②③の内容詳細は下記社会的課題と共有価値創造の取組みを参照ください。
④共有価値とサステナビリティテーマの優先順位づけ
それぞれの共有価値とサステナビリティテーマの重要性を、a)社会にとっての重要度と、b)当グループの事業・取組みとの関連度(社会的課題に及ぼす影響)の両面から評価。当グループにとっての取組みの優先度を明らかにしました。
a) 社会にとっての重要度:経済・環境・社会に対するインパクト、SDGsの貢献へのインパクトから評価
b) 当グループの事業・取組みとの関連度:サステナビリティ憲章で定める方針・行動との関連から評価
⑤サステナビリティ重点テーマの選定
重要な社会的課題に対する取組みにより、共有価値創造にインパクトを及ぼすことのできるグループサステナビリティ推進の重点テーマを設定しました。社会・環境の変化等をサステナビリティ経営に取り込んでいくために、重点テーマの見直し要否の確認を毎年行っています。
⑥重要な社会的課題とサステナビリティ重点テーマの適切性の確認
- 専門性を有する第三者機関と重点テーマの選定プロセスにつき対話・意見交換を行い、対象とする社会的課題の適切性や優先度評価の妥当性を確認しました。
- また、グループSDGs委員会(現・グループサステナビリティ推進委員会)において審議承認を受け、経営会議(現・経営執行会議)および取締役会に報告しました。
取組みの進捗管理と検証
重点テーマの活動は、グループサステナビリティ推進委員会で年間計画を策定し、実施状況を定期的に確認します。また、その経過は、定期的に取締役会に報告していきます。
社会的課題と共有価値創造の取組み
T&D保険グループは、共有価値の創造を目指し、グループの幅広い事業活動を通じた社会的課題の解決に貢献する取組みを実施しています。
グループサステナビリティ推進の重点テーマ
グループサステナビリティ推進の重点テーマと、対応する記載箇所・GRIトピックは下記のとおりです。
<共有価値とサステナビリティテーマ>
健康で豊かな暮らし
【重点テーマ1】健康で豊かな暮らしの実現
(保険商品・サービス)
少子高齢化等、社会の変化により生じるお客さまのさまざまなリスクの解決に寄与する商品・サービスを提供することは、お客さまの健康増進に貢献するとともに、当グループの成長の機会でもあります。
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
認知症の予防をサポートする保険、および要介護状態を幅広く保障する保険の提供により高齢化社会の経済的、社会的リスクを軽減する。 | P.27–30 | 人口変動高齢化対策 より良い商品サービス 203:間接的な経済的インパクト 417:マーケティング&ラベリング |
|
インターネットによる保険申込みと人によるサービスの融合、外国人労働者の保険加入ニーズへの対応、加入しやすい価格の保障性商品等で、保険商品へのアクセス容易性を促進する。 | P.33–35 | |
|
中小企業のニーズに応えた商品・サービスを提供することにより、中小企業の設立・成長とそこで働く人々の健康増進に寄与する。 | P.31–33 | |
|
顧客が正確で十分な情報を得られないために発生しうるインパクトを回避するため、「商品・サービスの適切な情報提供」を推進するとともに、「お客さまの声」にお応えする取組みを強化する。 | P.34–35 P.41–42 |
<共有価値とサステナビリティテーマ>
雇用と働きがい
【重点テーマ2】多様な人材が活躍できる環境づくり
(職場・職員)
社会の要請に応える健康で安全に働ける職場づくりを進めることは、持続可能な社会の実現に必要であると同時に企業の活性化に向けた機会であると考え、さまざまな取組みを進めています。
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
人材育成・能力開発支援の取組みにより、従業員のスキル向上・キャリア開発を促進し、成長への意欲を高める。 | P.45–46 | 401:雇用 404:研修と教育 |
|
「働く人の人格と多様性尊重」・「女性活躍推進」の積極的な推進により、「多様な人材が働きがいを感じながら能力発揮できる企業風土づくり」を推進する。 | P.47–46 | 405:ダイバーシティと機会均等 |
|
健康で安全に働ける環境づくりにより、従業員の精神的・経済的なインパクトを軽減し、能力発揮・パフォーマンス向上を支援する。 | P.50–53 | 403:労働安全衛生 |
<共有価値とサステナビリティテーマ>
持続可能な地球環境
【重点テーマ3】地球環境保全・気候変動の緩和と適応への貢献
(気候変動)
地球規模の気候変動は、当グループの保険商品・サービス提供と機関投資家としての両方の活動にとって事業継続のリスクであると同時に、新しい活動の機会でもあります。
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
「再生可能エネルギー利用拡大」・「エネルギー利用効率改善」等により、事業によるCO2排出量を大幅に削減する。 気候変動の物理・移行リスクが保険商品・機関投資家としての行動に及ぼすインパクトを分析し、リスク低減と機会拡大を図る。 |
P.57–67 | 302:エネルギー 305:大気への排出 201:経済パフォーマンス |
<共有価値とサステナビリティテーマ>
強靭で活力ある社会
【重点テーマ4】投資を通じた持続可能な社会への貢献
(投資・融資)
長期の資金を運用する機関投資家の投資行動が環境・社会・企業統治に配慮した投資を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献します。
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
機関投資家として、ESG要素を考慮した長期視点の投融資を行うことで、ESGリスク低減と投融資先企業の持続的成長に貢献する。 |
P.69 | 機関投資家としての責任 203:間接的な経済的インパクト |
|
P.71–75 |
グループサステナビリティ推進の基盤となるテーマ
重要テーマ推進の基盤となるサステナビリティテーマの社会的課題との関連と、対応する記載箇所・GRIトピックは下記のとおりです。
<共有価値とサステナビリティテーマ>
信頼される企業グループのガバナンス・内部統制
・公平なビジネス基盤構築
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
腐敗防止のため責任あるビジネス慣行に関するガバナンス・内部統制を強化することにより、当グループ自身と社会・経済システムへのインパクトを未然に防止する。 | P.101–102 | 205: 腐敗防止 206: 反競争的行為 |
|
情報セキュリティ体制を強化して、個人情報の漏洩によるインパクトを防止する。 | P.99–100 | 2-27: 法規制遵守 418: 顧客プライバシー |
|
持続可能な開発目標の達成に不可欠な役割を果たすことが国連で認められている税金に関して、法令に沿った適切な納税・内容公開を実施する。 | P.103 | 207: 税金 |
<共有価値とサステナビリティテーマ>
人権の尊重
・その他社会的人権
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
女性・障がい者・人種・性的指向による差別・ハラスメントを排除することにより、人権に対する負のインパクトを防止する。 | P.22–24 | 2-24: 方針声明の実践 2-25: マイナスのインパクトの是正プロセス |
<共有価値とサステナビリティテーマ>
持続可能な地球環境(生物多様性、資源、森林、汚染防止)
・資源・エネルギーの効率的な利用
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
事務用紙等の「資源の利用効率化」「再利用・再生利用拡大」の取組みにより、天然資源の枯渇、環境問題、廃棄物処分場のひっ迫などの環境インパクトの低減に対応する。 | P.63 | 301: 原材料 303: 水と廃水 |
<共有価値とサステナビリティテーマ>
持続可能な地球環境(生物多様性、資源、森林、汚染防止)
・陸と海の環境保護
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
ペットボトルのリサイクル促進により、海洋汚染を防止する。植林の推進により、生物多様性の維持に貢献する。 | P.62 | 304: 生物多様性 306: 廃棄物 |
|
<共有価値とサステナビリティテーマ>
強靭で活力ある社会(地域貢献活動)
・基礎的教育への支援
・基礎的生活基盤の構築
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
社会貢献活動の実施により、高齢化・健康・教育・貧困・環境に関する社会環境の改善に貢献する。 | P.84–88 | 人口変動高齢化対策 |
|
コミュニティと従業員の健康促進 413:地域コミュニティ |
<共有価値とサステナビリティテーマ>
パートナーシップの活性化・ステークホルダーとの協働
| 重要な社会的課題 | 社会的課題に対応する取組みによるインパクト | サステナビリティレポート2025内の記載箇所 | GRIトピック |
|---|---|---|---|
|
ステークホルダーエンゲージメントの実施により、組織の透明性向上により長期的成長に不可欠なステークホルダーからの信頼を獲得する。 | P.19 | 414: サプライヤーの社会面のアセスメント |
SDGsへの貢献
2015年「国連持続可能な開発サミット」で「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が全会一致で採択されました。アジェンダは、各国の行政、一般市民、企業などを含む世界の人々すべてが協力して、世界の持続可能な発展を実現するための17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」(SDGs/Sustainable Development Goals)を掲げました。幅広い分野の課題の取組みを通じて持続可能な世界を実現しようとするSDGsと、「価値の創造を通じて人と社会に貢献するグループを目指す」というT&D保険グループの経営理念は、その目指すところは同じです。当グループでは、サステナビリティ重点テーマの選定プロセスのなかにSDGsへの貢献を組み入れ、事業の特徴や強みを活かしたサステナビリティ推進の取組みを通じてSDGsへの貢献を実現していきます。
「サステナビリティ重点テーマ」とSDGs
| サステナビリティ重点テーマ | 関連する主なSDGs目標 | 取組内容 |
|---|---|---|
|
1.健康で豊かな暮らしの実現 |
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お客さまのニーズにあった最適で質の高い商品・サービスを提供することにより、保険事業を通じて社会の持続的成長と、社会課題の解決に貢献します。 |
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2.多様な人材が活躍できる環境づくり |
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すべての人の人権を尊重するとともに、従業員の人格と多様性を尊重し、健康で安全に働ける環境を確保することにより、人材育成を図ります。 |
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3.地球環境保全・気候変動の緩和と適応への貢献 |
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お客さまに保険商品・サービスを提供する自らの事業活動を通じて、気候変動の緩和と適応に貢献し、ネットゼロ社会の達成、生物多様性の保全にも取り組みます。 |
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4.投資を通じた持続可能な社会への貢献 |
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責任ある機関投資家として、環境・社会・企業統治に配慮した投資を行うことで、長期安定的な収益の確保と持続可能な社会の実現に貢献し、社会とともに持続的に成長することを目指します。 |
重点テーマ1 健康で豊かな暮らしの実現
基本的な考え方
生命保険業を事業の中心に置くT&D保険グループにとって、健康で豊かな暮らしの実現への貢献は、最も基本的な社会的責任です。T&D保険グループサステナビリティ憲章の最初の項目に「1.より良い商品・サービスの提供」を掲げ、お客さまのニーズにあった最適で質の高い商品・サービスを提供することにより、保険事業を通して社会への責任を果たすことを明示しています。
少子高齢化の進展をはじめ社会の変化により生じるお客さまのさまざまなリスクの解決に寄与する商品・サービスの提供は、当グループにとって使命であると同時に、成長の機会でもあります。
高齢化社会の経済的・社会的リスク軽減
日本は1970年代に高齢化社会となり、現在も高齢者率が上昇しています。それに伴い疾病構造が変化し、要介護者も増加することが想定されます。また、認知機能の低下等からトラブルになるケースなども想定されます。
T&D保険グループでは、高齢者の方やその家族の方も安心して利用いただけるような保障やサービスを提供することで、高齢化社会においても一人ひとりが充実した生活を送れるように取り組んでいます。
ベストシニアサービス
高齢化が進展している社会情勢を踏まえ、高齢のお客さまの利便性や満足度の向上に向けた取組みをグループ全体で実施しています。生命保険3社では、この取組みを「ベストシニアサービス」と名づけ、さまざまなサービス向上の取組みを展開しています。
ご加入時の対応
お申込内容を十分にご理解の上安心してご加入いただくため、生命保険3社では、お申込時にご家族の同席を推進しています。また太陽生命では携帯端末のテレビ電話機能を活用して、本社の担当者が契約意向の再確認や告知事項の再確認(一部商品)を行っています。T&Dフィナンシャル生命では、お客さまにおすすめする商品の内容・仕組みや重要な事項を正しくご理解いただくために、募集資料に、色弱者にやさしいユニバーサルカラーデザインや、読み間違いの少ないユニバーサルデザインフォントを採用しています。
指定代理請求特約
被保険者が保険金等の受取人となっているご契約で、病気や事故等で被保険者本人による請求が難しい場合、あらかじめ指定された方(指定代理請求人)から保険金等をご請求いただけるよう、「指定代理請求特約」の付加をご案内しています。
ご家族登録制度
事前にご家族をご登録いただくことで、登録いただいたご家族(登録家族)に対し、ご契約内容の確認、各種請求書類のお取り寄せを可能とする制度として、「ご家族登録制度」を導入しています。
ご契約中の対応
太陽生命では、2014年7月より、シニアのお客さまを対象に毎年1回以上の訪問サービス活動として「シニア安心サポート活動」を開始しました。現在においても訪問・架電により、ご契約内容の確認やご請求漏れの点検などを丁寧にわかりやすく実施することで、シニアのお客さまお一人おひとりへ安心をお届けしています。
大同生命では、契約者変更・受取人変更についても、ご家族に手続き内容をご理解いただき安心して契約を継続いただくため、ご家族同席をご案内しています。
T&Dフィナンシャル生命では、不着郵便が発生したお客さまに対する住所照会や保険料未納時の入金勧奨、入院給付金未請求のお客さまに対して、SMS(ショートメッセージ)配信サービスを実施しています。
迅速な保険金等お支払いに向けた対応
ご請求漏れ等を防ぐため、一定年齢以上のお客さま等に対して未請求の保険金等はないかを定期的に確認しています。
太陽生命では、専門知識を有する職員が直接お客さまやご家族のもとにお伺いすることで、給付金等のご請求手続きにおけるお客さまの負担をなくし、きめ細かなサポートをご提供する「かけつけ隊」サービスを行っています。また、給付請求手続きのペーパーレス化により、お客さまは請求内容を確認し、携帯端末上に自署するだけでお手続きを完了することが可能となっています。
T&Dフィナンシャル生命では、お客さまにお手続きいただきやすいよう、電話で完結できる請求手続きの拡大、請求書類の改訂やカラー化、保険証券や印鑑証明書等の提出省略等を実施し、利便性向上に取り組んでいます。
接遇・ホスピタリティ向上に向けた対応
大同生命では、お客さまの状況に応じた丁寧なサービスをご提供できるよう、シニアのお客さまの一般的な特性(身体機能・心理面の変化等)を踏まえた対応マニュアルや映像教材を作成・活用しています。これにより、お客さまが安心してお手続きいただける環境の提供に取り組んでいます。T&Dフィナンシャル生命では、シニアのお客さまに安心してお手続きいただるよう、85歳以上のご契約者さまを対象に高齢者専用フリーダイヤルをご案内しています。
介護保障
高齢化等に伴い、公的介護保険制度の要介護者数や認知症高齢者数は増加しており、T&D保険グループの生命保険3社でも、認知症や介護状態になった際の保険を提供しています。
T太陽生命では、介護保険や健康状態に不安のある方でもお申し込みいただける認知症保険等を提供しています。大同生命では、中小企業経営者や個人事業主の保険金などを事業保障資金などの財源としてご活用できるよう、認知症などによる要介護状態を幅広く保障する「介護リリーフα」を提供しています。T&Dフィナンシャル生命では、公的介護保険制度「要介護4以上」に認定または「所定の認知症」と診断確定された場合に死亡保険金を前払いする「介護認知症前払特約」など、介護や認知症に備える特約を付加して提供しています。また、大同生命とT&Dフィナンシャル生命では、一部の保険で「介護コンシェル※」を付帯サービスとして提供しています。
※介護コンシェルとは、介護のプロが介護に関するさまざまなご質問やお悩みにお答えするサービスです。そのほか、お客さまのご要望に応じて介護施設・ケアマネジャーの紹介や、公的介護サービスと組み合わせてご利用可能な認知症対応サービスを優待価格にて提供しています。
健康維持の支援
サステナビリティ重点テーマにも「健康で豊かな暮らしの実現」と謳っているとおり、健康維持を支援することは生命保険会社の重要な役割です。昨今では、高齢化に伴い健康寿命の延伸の必要性が増し、また、医療技術の進歩による医療費の高騰などの課題が顕在化してきており、その重要性はますます高まっています。T&D保険グループでは、予防から万が一の際の保障まで幅広い保障やサービスを提供することで、健康維持の支援を行っています。
予防への取組み
予防・健康づくりに取り組むことにより、個人のQOLは向上し、将来の不安を解消することにもつながります。多くの方が健康を維持し、幸せな生活を送れるよう、T&D保険グループでは「予防」に寄与する商品・サービスを提供しています。
予防保険シリーズ
太陽生命は、認知症や重大な疾病の早期発見・早期改善だけでなく「病気の予防への取組みをサポートし、お客さまの健康増進のお役に立つ」ことを通じて、「人生100歳時代」を誰もが「元気に長生き」できる社会の実現を目指しています。
その一環として、保険を通してお客さまの「予防」への取組みをサポートする、「予防保険シリーズ」を展開しています。その第1弾として社会的課題である認知症と前向きに向き合い、老後を安心してお送りいただくための商品として、2018年10月から「ひまわり認知症予防保険」を発売しました。
認知症関連商品*の販売件数は2025年4月末時点で100万件を超えるなど、シニアのお客さまを中心に広くご支持をいただいています。
また、2021年6月には、予防保険シリーズの第2弾として「ガン・重大疾病予防保険」を発売しました。当商品は、がん、脳卒中、急性心筋梗塞などの所定の重大疾病状態を保障する商品となっており、責任世代をはじめとする幅広い年齢層のお客さまに好評をいただいています。
*「 ひまわり認知症予防保険」、「ひまわり認知症治療保険」、「認知症治療保険(軽度介護)」、「逓増認知症治療終身保険」、「終身認知症年金(My介護プラス)」の合計販売件数。
予防サービス
太陽生命では、「ひまわり認知症予防保険」にご加入のお客さまに向けて、簡単な血液検査でMCI(軽度認知障害)のリスクを判定する「MCIスクリーニング検査プラス」や疾病予防・健康増進に効果のある「クアオルト®健康ウオーキング体験ツアー」等の「認知症予防サービス」をご案内しています。さらに、2021年3月には、味の素株式会社、H.U.フロンティア株式会社、H.U.ウェルネス株式会社の3社と業務提携し、現在がんである可能性と将来、脳卒中・心筋梗塞、糖尿病になるリスク、現在認知機能が低下している可能性を一度に評価できる「アミノインデックス®リスクスクリーニング」をご案内しています。
この「MCIスクリーニング検査プラス」「アミノインデックス®リスクスクリーニング」については支社の巡回検診時等にお客さまへ検査受診を案内できるようにし、受診機会を増やすことでお客さまの健康増進への貢献に取り組んでいます。
さらに、「アプリで楽しく健康づくり」をコンセプトに歩行・睡眠などさまざまな視点からお客さまの健康増進をサポートできる「太陽生命の健康増進アプリ」を提供しています。本アプリは、毎週の歩数や睡眠時間から、予防できる可能性のある病気・病態や健康増進に向けたアドバイスをお知らせする機能があり、ご自身の健康状況を確認することができます。
病気やケガなど、万が一の際への備え
生命保険は、ご自身や家族が病気やケガ等になった際にも経済的な負担を気にせず治療等にあたり、また、万一の際には残された家族が安心して生活を送れるようにリスクに備える保険です。生命保険事業をコアビジネスとする当グループでは、さまざまなリスクに備える保障を提供し、人々の豊かな暮らしを支えています。
太陽生命では、2024年12月に、より多くのお客さまニーズに対応するため「保険組曲Best」の商品改定を実施し、新シリーズ「保険組曲BestMYWAY」、「保険組曲BestMYWAY既成緩和」を発売しました。
商品改定の主なポイントは以下のとおりです。
- 認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)に該当した場合の保障を新設
- 選択緩和型商品等について、3歳から加入できるよう最低加入年齢の引き下げを実施等
また、2025年5月には、重度のガン患者の経済的な不安の解消を目的とし、標準的ながん治療をすべて受けたが効果がなかったなどと判断され、その後所定の緩和ケアを受けた場合に死亡保険金等を前払いすることができる「重度ガン前払特約」の取扱いを開始しました。
HALFITサービス
大同生命では、CYBERDYNE株式会社の装着型サイボーグ「HAL®」を用いたプログラム「Neuro HALFIT®」を3回まで無料でご利用できるサービスを、2020年4月より提供しています。「介護リリーフα」などの付帯サービスとしてお届けすることで、要介護状態となった場合の経済的リスクへの備えに加え、介護度の比較的軽い状態の方の重度化防止や自立を支援します。
全身MRI検査(DWIBS)の検査費用負担サービス
「重度がん保障Jタイプ」の専用付帯サービスとして「全身MRI検査(DWIBS)の検査費用負担サービス」を、2025年6月より提供しています。全身MRI検査(DWIBS)は高性能MRIを用いたがん検診で、放射性物質を使用しないため被ばくリスクがなく、他のがん検診と比較して検査時間も短いため身体への負担が少ないのが特長です。大同生命では本検査費用の一部を負担し、お客さまの金銭的なご負担を軽減することで、一人でも多くの方のがん早期発見に寄与していきます。
大切な家族のために
ペットを家族の一員として認識する飼い主さまの意識の変化により、ペット医療およびその費用への関心がますます高まっています。ペット&ファミリー損害保険では、こうした状況を踏まえ、ペット医療費用へのニーズに対応し、飼い主さまとペットが安心して治療を受けることができるよう、ペットが病気やケガにより動物病院で治療を受けた費用の一定割合を補償する商品「げんきナンバーわんスマート」「げんきナンバーわんスリム」「げんきナンバーわんBest」をご提供しており、2024年3月にはキャッシュレス決済サービス「PayPay」内の「PayPayほけん」で加入できるペット保険「これだけペット」の提供を開始しました。
すべての人の社会的・経済的活躍促進
さまざまなライフイベントや日々の暮らしを安心して過ごす、新たなことにチャレンジするなど、社会的・経済的に活動するために資産形成は重要です。一方で日本では、年金財政の悪化や教育費や住宅取得のための費用の増加等など、資産形成に不安を抱えている人は老若男女問わず多くいます。T&D保険グループでは、お客さまの属性や多様なニーズを踏まえた資産形成型商品の提供を通じて、すべての人の社会的・経済的活躍促進に貢献しています。
すべての人の社会・経済的活躍を促進する資産形成型商品の提供
外貨建終身保険「生涯プレミアムワールド6」
T&Dフィナンシャル生命は、「ご自身でつかうお金」を受け取りながら「ご家族にのこすお金」を準備できる一時払終身保険「生涯プレミアムワールド6」を2024年9月に発売しました。本商品は、昨今の市場環境の変化を踏まえ、円ならではの安心感でそなえる「生涯プレミアムジャパン」シリーズと、海外の金利と為替を活用する「生涯プレミアムワールド」シリーズを一体化させ、より幅広くお客さまのニーズに応えられるように商品内容をリニューアルしたものです。
変額保険「ハイブリッドシリーズ」
T&Dフィナンシャル生命は、「投資信託」と「生命保険」の融合により、人生100年時代の自助努力による資産形成をサポートする「ハイブリッドシリーズ」を提供しております。
2021年6月には、円建の一時払変額終身保険「ハイブリッド アセット ライフ」を発売しました。本商品は、人生をもっと楽しむために、長期分散投資を中心とした運用を継続しながら、計画的な資産の取り崩しを図るとともに、ご自身やご家族のために介護・認知症や相続に備えることができる商品として開発しました。
2022年4月には、「ハイブリッド つみたて ライフ」を発売しました。本商品は、「人生100年時代に向けて多様化するニーズに寄り添った新機軸の資産形成型商品」であり、開発に際して実施した市場調査アンケートに基づき、新機軸の商品スキームを組み入れた商品です。
毎月コツコツ積立で運用しながら時間分散を図りつつ資産を形成することができるほか、お手元の余裕資金を有効活用していただくことができる「スポット増額」「ドルコスト平均プラス特約」機能を追加し、より安定的かつ効率的な資産形成を期待できる商品となっています。2024年3月には、変額終身保険「ハイブリッド おまかせ ライフ」を発売しました。従来の変額終身保険に、お客さま一人ひとりの資産運用に対するお考えに「おまかせ運用」でお応えする機能を追加しました。
2025年4月には、「ハイブリッド あんしん ライフ2」を発売しました。本商品は、「ハイブリッド アセット ライフ」の商品性を引き継ぎながら、死亡保険金最低保証特約が付加されている商品で、長生きへの備えとして資産承継、資産管理機能に特化しています。商品の改定にあたり、従来の超過給付を受け取れる仕組みに死亡保障がついた「うけとるコース」を新設しました。これにより運用成果を確保できる「のこすコース」、運用を楽しみながら年金受取や大切な人に贈与できる「わたすコース」の3つから選択いただけるようになりました。


個人年金保険「ファイブテン・ワールド4」
T&Dフィナンシャル生命は、2024年10月には、「ファイブテン・ワールド4」を発売しました。本商品は一時払の個人年金保険「ファイブテン・ワールド3」に新たなコースを追加してリニューアルした商品です。従来の「円貨プラン」では、着実な運用で将来の介護や認知症に備えられる「介護認知症保障コース」を提供していましたが、将来の年金原資額をより大きく増やすことができる「年金重視コース」を新設し、新たな選択肢を提供することで、お客さまのニーズにより幅広くお応えできる商品となりました。
中小企業の経営課題の解決支援
近年では、医療技術の進歩等による経営者の現役期間の長期化、相続・事業承継への対応、健康経営®やSDGsをはじめとする社会的課題への関心の高まりなど、中小企業を取り巻く環境変化やニーズの多様化が進んでいます。このような環境変化の中、T&D保険グループでは、日本の産業を支える中小企業をお守りする保障やサービスを提供しています。
中小企業が抱える人的リスクを幅広くカバーする保障の提供
法人・個人を一体とした合理的な保障(トータル保障)の提案
中小企業は、経営者ご自身の信頼や技術力により成り立っているケースが多くあります。このため、経営者が万一の場合や大きな病気・ケガ等により働けなくなった場合に事業の継続が難しくなることがあります。このような状況に備えて、大同生命では企業・ご家族を守るために必要となる資金(「標準保障額」「生活防衛資金」)を算定し、法人・個人を一体とした合理的な保障(トータルな保障)を提案しています。
多様な保障ニーズに対応する“オーダーメイド型” 保険(「Lタイプα」「Jタイプα」「Tタイプα」)
人生100年時代の到来や深刻な後継者不足によって、中小企業経営者の高齢化や現役期間の長期化が進んでいます。また、社会・産業構造の変化等に伴い、各企業が抱える経営課題やリスクは一層多様化しています。こうした環境変化により、中小企業の保障ニーズも変化しており、特に経営状況等に応じて柔軟に保障を設定できる商品へのニーズが高くなっています。こうした状況を踏まえ、経営者の「死亡」「重大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)」「重度の身体障がい」を長期にわたり保障する商品について、業界初の“オーダーメイド型” 保険である「Lタイプα〔無配当歳満期定期保険(解約払戻金抑制割合指定型)〕」「Jタイプα〔無配当重大疾病保障保険(解約払戻金抑制割合指定型)〕」「Tタイプα〔無配当就業障がい保障保険(身体障がい者手帳連動・解約払戻金抑制割合指定型)〕」を2019年7月より提供しています。これらは、お客さまの多様なニーズに応じて、「保険金額」「保険期間」に加え、「保険料と解約払戻金のバランス」も自在に設定いただけます。
中小企業の経営課題の解決の支援に向けた取組み
健康経営®*の普及に向けた取組み
大同生命は、中小企業とそこで働く人々がいきいきと活躍できる社会づくりへの貢献と、わが国の高齢化社会が抱える課題解決への貢献を目指し、中小企業による「健康経営」の実践を支援しています。
*「健康経営®」とは、企業が従業員の健康管理を経営的視点から考え、戦略的に従業員の健康管理・健康づくりを実践することです。
「健康経営®」はNPO法人 健康経営研究会の登録商標です。
「KENCO SUPPORT PROGRAM」
株式会社バリューHRを中心に、専門的な技術やノウハウを有する多くの企業の協力を得て、大同生命「KENCO SUPPORT PROGRAM」を2017年4月より提供しています。
当プログラムは、企業の「健康診断の受診促進の支援」、経営者・従業員個々の「生活習慣病の発症リスク予想」や会社全体の「健康状態の見える化」、継続的な健康増進の取組みを促す「健康促進ソリューション」「インセンティブ」の提供など、健康経営に必要なPDCAサイクルの実践を一貫してサポートするアプリ・Webサービスです。
「会社みんなでKENCO+」
「健康経営による病気の予防」と「予期せぬリタイアへのそなえ」を実現するため、「KENCOSUPPORT PROGRAM」と保障を一体化した健康増進型保険を2022年1月より提供しています。
当商品は、死亡・高度障がい・身体障がい・重大疾病などさまざまなリスクを幅広く保障し、さらに、「毎年の1日あたり平均歩数が8,000歩以上」の場合に、翌年の主契約保険料を割引く仕組みを導入しています。中小企業の経営者・役員・従業員のみなさま全員でご加入いただくことで「健康経営をスタートするきっかけ」としていただけます。
相続・事業承継の支援
昨今事業承継に対する経営者の関心は急速に高まっており、大同生命では「後継者に円滑に事業を引き継げるか」お悩みの経営者に対して、2016年より相続・事業承継の専門家である「FP・相続コンサルタント*」を組織し、お客さまの課題解決に伴走支援できる体制を構築しています。FP・相続コンサルタントは、自社株評価試算の結果に基づき、「自社株式の移転方法」や「財務分析に基づくリスクマネジメント」等のアドバイスを行っています。また、提携先との協働により第三者承継に向けた「M&A支援サービス」や後継者育成プログラム「大同マネジメントアカデミー」、りそなグループとの協働を通じた銀行分野がもつソリューションの提供等、相続・事業承継の専門家として、お客さまの課題に応じて幅広いコンサルティングを行っています。
*1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)・CFP®資格を取得し、かつ専門的なトレーニングプログラムを履修して「相続・事業承継の専門家」として認定された人材

社長が声をかけあうサイト「どうだい?」
中小企業経営者が集い、ともに社会的課題の解決に取り組んでいくためのWebコミュニティ「どうだい?」を2022年3月に開始しました。これまで保障を通じて中小企業をお支えしてきた大同生命が、今後は「中小企業とともに未来を創る」という想いを形にしたものです。
「どうだい?」には、“相談する”(経営者同士が想いや悩みを共有できるコミュニティ)、“学ぶ”(経営者の身近でリアルな事例をご紹介)、“活用する”(経営を支援する各種サービスを一元的に案内)、“つながる”(自社・事業紹介やメッセージ機能の提供)という4つの機能があります。日本中のすべての中小企業経営者がつながることができるサービスを目指しており、大同生命のご契約の有無にかかわらず、無料でご利用いただけます。

サステナビリティ経営支援プログラム
近年、政府による2050年カーボンニュートラル宣言等、社会の持続可能性に対する関心が高まっており、SDGs(持続可能な開発目標)への取組みは、大企業だけでなく中小企業にとっても大きな経営課題になりつつあります。
こうした環境変化を踏まえ、お客さまがSDGsへの理解を深めるとともに、「SDGsに関心のある企業」と「社会課題の解決に貢献する技術やサービスを持つ企業」の接点を創出し、サービスの導入や企業間の協業をサポートすることで、サステナビリティ経営の実践を後押しするプログラムを提供しています。

人材採用・育成支援サービス
中小企業の経営課題の一つである人材に関するお悩みごとに幅広くお応えできるよう、「人材採用・育成に関する無料相談(人材よろず相談)」と各種有料サービスを提供しています。

すべての人の保険金融サービス利用促進(金融包摂)
T&D保険グループでは、保険等へのアクセスが困難な方々に対して、保険やサービスを利用しやすくする取組みを行っています。誰一人取り残されることなく、健康で豊かな暮らしが実現できるようこれからもこれらの取組みを推進していきます。
外国人従業員の方のための手続体制
大同生命では、中小企業経営者の「国籍にかかわらず、すべての従業員を大切にしたい」という想いにお応えするため、日本語の理解が困難な外国人従業員(被保険者)の方に、福利厚生のための生命保険に外国語で申込手続いただける体制を整備しており、多くのご利用をいただいています。(「外国語によるご説明資料」「外国語による申込書・記入見本」「外国語による重要事項のご説明動画」「通訳電話窓口」など)
| 対象言語 | 中国語、ベトナム語、フィリピン語、ポルトガル語、ネパール語、韓国語、英語、スペイン語の8ヵ国語 |
|---|---|
| 利用申込件数 | 延べ約1,800件*(2019年6月開始)(うち2024年度 約230件) |
*被保険者が重複している可能性があります。
緩和型保険の提供
太陽生命では、健康状態に不安のあるお客さまにも保障をご準備いただき、安心して生活を送っていただけるように、緩和型の保険商品を提供しています。2023年5月には、過去にがんに罹患するなど、がん保障に加入することが難しかった方でもお申込みが可能な「告知緩和型がん診断保険」、「告知緩和型がん治療保険」を発売しました。

「告知緩和型がん診断保険」はがんに罹患した後の治療費や生活費等を一時金で準備でき、「告知緩和型がん治療保険」は所定の治療を受けた月ごとに給付金を受け取ることができます。これにより健康状態に不安のあるお客さまにも、がん保障をご提供することができるようになりました。
また、2024年12月には「保険組曲BestMYWAY既成緩和」を発売し、選択緩和型商品等の最低加入年齢の引き下げなどを実施することで、より多様なニーズにお応えしています。
「認知症サポーター」の養成/ユニバーサルマナー検定の受講
太陽生命・T&Dフィナンシャル生命では、認知症サポーター養成講座を毎年実施しています。さらに、実施内容の高度化を目的として、全国キャラバン・メイト連絡協議会と連携し、「企業内キャラバン・メイト」の育成・登録を行っています。
| キャラバン・メイト人数 |
|---|
| 計 202名(2025年3月現在) |
*太陽生命・T&Dフィナンシャル生命の合計
また、シニアのお客さまや障がいをお持ちのお客さまには、個々のご事情に配慮した対応が必要になります。生命保険3社では、一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会の協力を得て、本社および全国の支社・営業所の従業員を対象に「ユニバーサルマナー検定」の受講を進めています。同検定認定者を本支社・営業所に配置することにより、従業員一人ひとりが個々のお客さまの視点に立ったコミュニケーションを実践し、お客さまを元気にする活動を推進しています。
| ユニバーサルマナー検定3級認定者数 |
|---|
| 計 13,545名(2025年3月現在) |
*太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命の合計
多様化するお客さまニーズに応えるためデジタル技術活用促進
ライフスタイルの多様化に伴い、お客さまニーズも多様化しています。T&D保険グループでは、デジタル技術を用いて、時間や場所の制約を受けずに手続きできるサービスなどを提供し、お客さまの利便性向上を図っています。
携帯端末「T-AI-Face(ティーアイフェイス)」による申込手続き
太陽生命では、2018年8月より携帯端末を導入し、最新のITを駆使した機能を充実させ、お客さまのご要望を伺いながらその場で最適なプランをご提案する「コンサルティング・プレゼンテーション機能」の搭載および契約から領収までの完全ペーパーレス化等、生命保険募集のあり方を変えてきました。2024年8月にはAI技術を活用した携帯端末「T-AI-Face(ティーアイフェイス)」としてさらなる進化を遂げ生まれ変わりました。AIを活用した最適な保障プランのご案内、デジタル技術を活用した場所を問わない新たな提案手法を実現しています。

AIファンド予測サービス
T&Dフィナンシャル生命では、2024年2月より「AIファンド予測サービス」を提供しています。本サービスは経済指標等のデータをもとに、特別勘定(ファンド)のユニットプライスの値動きを予測する業界初のサービスです。本サービスにより、「ハイブリッド アセット ライフ」、「ハイブリッド あんしん ライフ」および「ハイブリット つみたて ライフ」で取扱い中の特別勘定について、AIによるユニットプライスの変化率(対前月末)の予測をご覧いただけるようになりました。
スマ保険
太陽生命では、インターネットチャネルにおいて、お客さまの自由な時間や場所でご利用いただけるインターネットによる保険の見積りやお申込みを実現しただけでなく、当社がこれまで培ってきた「人」による丁寧な訪問サービスを融合することで、アフターフォローの充実したインターネット完結型保険という、今までにない新たなコンセプトでの保険の提供である「スマ保険」を開始しています。2023年には新たに発売した「告知緩和型がん診断保険」「告知緩和型がん治療保険」だけでなく、インターネット完結型の「学資保険」「個人年金保険」のスマ保険での取扱いを開始しました。

また、2021年1月にはスマ保険と営業職員によるコンサルティングや、申込手続き時のサポートを組み合わせた「リモート申込」(非対面募集)を導入しました。この「リモート申込」により、非対面でのサービスを求めるお客さまに加え、遠方で直接対面が難しいお客さまなど、より多くのお客さまへの提案が可能となり、ご自身のスマートフォンやパソコンにて、いつでも、どこでも簡単にご契約の手続きを完了することができるようになりました。
太陽生命マイページ
お客さま専用インターネットサービス「太陽生命マイページ」では、「住所変更等の保全手続き」「貸付等の資金利用」「入院給付金等の請求手続き」等のお手続きがご来社いただかなくても可能であり、「各種手続き」や「給付金等のお支払い」がインターネットで完結できるようになっています。2022年4月には、「太陽生命マイページ」において、ご契約者さまはもちろん、被保険者さまおよび登録いただいたご家族さまも契約内容の詳細を確認できる「Web保険証券-デジタル証書-」の取扱いを開始しています。
2023年5月には、「太陽生命マイページ」においてお客さまご自身で作成した電子バーコードを使用して、コンビニエンスストアで第2回目以降保険料のお払込みができるようになりました。また、2023年12月に第1回保険料充当金のお払込み、2024年1月に契約者貸付金のご返済が電子バーコードを使用してできるようになりました。そして2024年9月、サービスセンターがお客さまのマイページ画面を共有し、マイページによる手続きをサポートできる機能を導入しました。2024年度末の太陽生命マイページ会員数は2023年度末から約36万人増加し約209万人となりました。
重点テーマ2 多様な人材が活躍できる環境づくり
基本的な考え方
多様な人材が活躍できる環境づくりを進めるためには、すべての人の人格と多様性が尊重されるとともに、健康で安全な職場環境の実現が必要であると考えます。T&D保険グループでは、“共に働く「人材」こそが、グループ経営理念の実現に向けた事業活動を担う、最も大切にすべき最大の原動力である”と位置づけ、グループ発足以来「多様な人材が働きがいを感じながら能力発揮できる企業風土づくり」を推進し、グループにおける人材マネジメントの基本的な方針を明確にすることを目的とした「グループ人事基本方針」を制定し、さまざまな取組みを進めています。
人的資本経営
当グループの人材に対する考え方
当グループは、“共に働く「人材」こそが、グループ経営理念※の実現に向けた事業活動を担う、最も大切にすべき最大の原動力である”と位置づけ、当グループにおける人材マネジメントの基本的な方針である「グループ人事基本方針」を制定しています。
グループ成長戦略におけるコアビジネスの強化は、独自のビジネスモデルを持つ各社の強みを継続・強化していく必要があり、各社での人材育成の取組みは引き続き欠かせません。加えて、事業ポートフォリオの多様化・最適化のためには、生命保険事業領域以外での高度専門人材の確保・育成が求められており、2025年度より、外部労働市場からの採用力強化とキャリアパスの明確化を目的としたT&Dホールディングスの人事制度を導入しました。
また、社会全体が複雑化し当グループが取り組むべき課題の難易度が高まる中、グループ一体経営を推進していくためには、グループ経営を担う人材の裾野を中長期的な視点で拡大していくことも重要なテーマであり、グループ間での人材流動化・協働を進めています。
さらに、グループの持続的成長には、こうしたグループの成長戦略実現のための人材戦略にとどまらず、グループ従業員全員が活躍できる環境を整備することが不可欠です。各社の多様な人材が、自社の事業領域にとどまらず、グループ全体の幅広い事業領域で活躍し、個社だけでは成しえない新たな価値を創造することが、当グループのサステナブルな成長を実現する礎だと考えています。人事部門の責務は、これらを実現するために、従業員一人ひとりが持つ力を最大限に引き出し、積極果敢に挑戦・発見・成長する機会を提供すること、そして、そうした挑戦意欲の高い従業員が安心して取り組めるよう支援することであると考えています。
グループの全従業員が、業務を通じ自身の成長を実感し、自身の持つ能力を最大限に発揮し、自己の可能性に挑戦できる、そして、グループの一員であることの誇りと責任を持てるグループを目指してまいります。
※「Try&Discove(挑戦と発見)による価値の創造を通じて、人と社会に貢献するグループを目指します。」
成長の機会を提供する取組み
生命保険3社では、「OJT(実際の仕事を通じた教育)」「集合研修」「自己啓発支援」「リスキリング・学び直し」を柱とした教育研修を実施しています。資格取得に対する積極的なサポートや「通信教育」「オンライン講座」「e-ラーニング」などの多様なカリキュラムをグループ各社が教育計画に応じて提供し、従業員一人ひとりの自律的なキャリアアップを支援しています。また、従業員が自分の役割とそれによって達成すべき目標を明確に理解し、目標の達成により自信ややりがいを感じることができるよう、目標管理制度や360度評価制度等を導入し、従業員のキャリア開発と人材育成の促進につなげています。
多様性への取組み
障がい者雇用
2025年3月末時点の生命保険3社の障がい者雇用数は合計420名(うち、2024年度の新規雇用者は67名)であり、障がい者雇用率は2.57%です。障がいのある従業員が働きやすい職場づくりのため、入社前の取組みとして、安心して採用選考に臨めるよう就労支援員の面接への同席を推奨するほか、入社前後のミスマッチを防ぐために、職場見学会を実施しています。また、入社後も、専用のパソコン等の導入や通勤経路の配慮により、働きやすい職場環境を整備するほか、支援を専門とするジョブコーチの派遣を受け入れたり、上司が就労支援員と三者面談を行いアドバイスを受けるなど、会社全体で就労支援に取り組んでいます。今後も障がいのある従業員が働きやすい職場づくりをさらに進め、多様な障がい者の就労機会の拡大に努めていきます。
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 ★ | |
|---|---|---|---|
| 障がい者雇用率 | 2.48% | 2.58% | 2.57% |
★は第三者による限定的保証を取得しています。
* 障がい者雇用率の集計対象組織は、太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命です。
* 障がい者雇用率は、障害者雇用促進法等に基づき算定しています。
女性の活躍を支援する取組み
T&D保険グループでは「多様な人材が働きがいを感じながら能力発揮できる企業風土づくり」を推進しています。その中で当グループは、女性のさらなる能力発揮は持続的な企業価値向上の源泉であり、女性活躍はグループの重要な経営課題と認識しています。この認識のもと、生命保険3社では、各社で人事・処遇制度を改定するとともに、育児、介護等との各種両立支援制度を導入しています。また、グループ協働で総労働時間の縮減や男性の育児休業取得の促進に取り組み、誰もが働きがいを持って活躍できる職場づくりを進めています。これら女性活躍推進の取組みを着実に前進させるために、グループ生命保険3社による管理職登用目標(2027年25%、2030年30%)を設定し、計画的な管理職登用人材の育成に取り組んでいます。
生命保険3社の女性活躍推進の目標
生命保険3社では、女性活躍推進に向けた女性管理職登用の目標を開示しています。着実な取組み実施により女性管理職比率は毎年向上しています。また、男女別賃金差異は管理職に占める男女の人数割合が異なること等を主な要因としているため、女性管理職比率向上は男女別賃金差異の解消にも貢献しています。
*女性経営幹部の計画的、段階的な育成に向けて、初級管理職層を含めた数値を算出しています。
LGBTQ+フレンドリー
グループの仲間に
T&D保険グループでは、グループ人権方針において人権尊重の基本的考え方を表明し、従業員一人ひとりが自己の能力を十分に発揮できる職場環境の整備に努めています。LGBTQ+(性的マイノリティ-)に関しても、ダイバーシティ(多様性の尊重)の観点より、研修の実施等、グループ各社で取組みを進めています。
また、大同生命では、休暇・福利厚生制度において、同性パートナーを配偶者とみなして取り扱っており、性的マイノリティーの従業員からの相談や照会を幅広く受け付ける「LGBTQ相談窓口」を設置しています。
お客さまに
当グループの生命保険3社は、ご契約者さまが同性のパートナーの方を受取人とすることを希望される場合、地方自治体が発行するパートナーシップ証明書等のパートナー関係にあることがわかる書面をご提出いただくことで、配偶者さまと同様に保険金受取人に指定していただける取扱いを開始しています。
また、大同生命では、新契約・支払・変更等の各手続きにおいて、同居の同性パートナーを配偶者と同様に取り扱う対応を拡大しています。
| 対応 | 時期 |
|---|---|
| 死亡保険金等の各種受取人として指定可能 | 2015年11月 |
| ご家族登録制度の登録家族として指定可能 | |
| 新契約・支払い等の各手続きで自署が困難な場合に代筆可能 | 2016年12月 |
| 指定代理請求人として指定可能 | 2018年4月 |
働きやすい職場環境
ワーク・ライフ・バランスへの取組み
T&D保険グループ各社では、従業員が家事や育児、介護などの家庭の責任を果たしながら仕事で十分に能力を発揮し、パフォーマンスを高めるために、出産・育児、看護・介護との「両立支援」のさまざまな取組みを強化しています。また、総労働時間の縮減や有給休暇の取得促進等に向けた各種取組みに加え、時間と場所にとらわれず「生産性の高い働き方」を選択できるように、フレックスタイム、リモートワーク、サテライトオフィス等の活用による「働き方の改革」を進め、グループ一体となってワーク・ライフ・バランスの実現を推進しています。
両立支援
出産・育児
T&D保険グループ各社では、法令の要求を上回る出産・育児に関する休業・休暇制度や短時間勤務制度を整備しています。
| 制度 | 概要(グループ会社ごとに導入の有無が異なります) |
|---|---|
| 産前産後休暇 | 産前6週から産後8週までの産前産後休暇 |
| 育児休業 | 最長で子どもが3歳まで取得可能(法定は2歳まで) ※会社によって営業職員の取り扱いは異なる |
| 出産および育児による 短時間勤務制度 |
子1人につき2回まで「子が小学校を卒業するまで」利用可能 ※会社によっては妊娠中の職員および小学校修了までの子を持つ職員は1日の執務時間を4・5・6時間に短縮可能 |
| 育児参加のための休暇 | 対象となる子1人につき5日~20日間取得可能な特別休暇 ※会社によっては4回まで分割取得可能。 |
| 通院休暇 | 妊娠中や出産後1年以内の職員は保健指導・健康診査を受けるための通院休暇を所定の回数取得可能 ※会社によっては10分単位で取得可能 |
| 企業主導型保育事業 | 小学生未満の子を持つ職員は企業主導型保育施設の共同利用に関する契約を締結することで、「企業枠」を利用可能 |
| 時差出勤等に関する措置 | 妊娠中の職員は30分までの時差出勤が可能 |
| 時間外勤務の制限 | 妊娠中の職員:1日の実働8時間を超えて勤務させない 小学校就学の始期に達するまでの子を持つ職員:所定労働時間を超える勤務をさせない、もしくは本人が選択した時間外勤務を超える労働をさせない |
看護・介護
T&D保険グループ各社では、介護やサポートを必要とする近親者・子のケガや病気の看護のため、法令を上回る日数の適用範囲を広げた看護・介護休業制度を整備しています。
| 制度 | 概要(グループ会社ごとに導入の有無が異なります) |
|---|---|
| 介護休業 | 1名につき最長1年~3年取得可能(法定は93日まで) ※一部会社については1要介護状態につき最大1名につき3回まで |
| 介護休暇 | 年間5日~30日の介護休暇 ※会社によっては10分単位で取得可能 |
| 短時間勤務制度 | 従業員が介護のため活用できる短時間勤務制度 |
| 子の看護等休暇 | 小学校6年生修了までの子を養育する職員は子のケガ・病気の看護や予防接種・健康診断の受診、学級閉鎖等に伴う子の世話、子の入園(入学)式・卒園(卒業)式の参加のために、年間5日~10日まで取得可能 ※会社によっては10分単位で取得可能で、給与全額支給 |
| 時間外勤務の制限 | 家族を介護する職員には、所定労働時間を超える勤務をさせない、もしくは本人が選択した時間外勤務を超える労働をさせない |
| 勤務時間の短縮 | 家族を介護する職員は3年を限度に勤務時間を短縮可能 |
キャリア継続を支援する制度
T&D保険グループ各社では、病気治療との両立を支援する制度、休業から仕事への復帰支援、配偶者の転勤時のキャリア継続を支援する制度を整備しています。
| 制度 | 概要(グループ会社ごとに導入の有無が異なります) |
|---|---|
| 病気治療との両立 | がん治療等でも取得可能な「通院休暇」、30分までの「時差出勤」、「短時間勤務制度」、「勤務日数短縮制度」 |
| ウェルネス休暇 | 生理やPMSで就業が困難な場合や不妊治療、更年期症状による通院・治療、健康診断・人間ドックの再検査受診、性別適合手術を受ける場合などに月3日、かつ年間12日まで取得可能 |
| スムーズな復職 | 内務職員に、会社パソコンを貸与し、育児休業中も会社の最新情報にアクセス可能としている、また休業中は、上司との定期的な面談を実施 |
| ファミリー転勤制度 | 配偶者の転勤に伴う内務職員からの希望に応じ、転居先から通勤可能な所属への異動検討 |
| キャリア支援 | 会社の垣根を越えて、ワーキングマザー同士がキャリアや育児について情報交換ができる機会を提供 |
| 全国型から地域型への コース変更 |
全国転勤を伴う全国型の内務職員について、育児、介護、療養、家族の看護などの事情により転勤が困難となった場合は、一時的に地域型へコース変更可能 |
| 誕生日休暇 | 全ての従業員に小学校就学まで子の誕生日休暇を提供 |
| マイエリア制度 | 従業員が希望する勤務地を選択することができる制度 |
人権の尊重分野における目標(KPI)の設定
生命保険3社は、女性管理職比率をKPI(Key Performance Indicator)と位置付け、目標の達成に向け行動しています。
女性管理職比率(目標と実績)
| 太陽生命 | 大同生命 | T&Dフィナンシャル生命 | |
|---|---|---|---|
| 目標 | 30%以上(2030年4月までに) | ||
| 2014年実績 | 19.1% | 8.5% | 8.2% |
| 2015年実績 | 19.0% | 10.4% | 9.1% |
| 2016年実績 | 19.6% | 12.3% | 9.6% |
| 2017年実績 | 19.1% | 13.0% | 11.0% |
| 2018年実績 | 19.5% | 14.1% | 11.5% |
| 2019年実績 | 19.4% | 14.8% | 13.0% |
| 2020年実績 | 20.4% | 16.6% | 12.5% |
| 2021年実績 | 20.4% | 17.5% | 14.5% |
| 2022年実績 | 20.2% | 19.0% | 16.7% |
| 2023年実績 | 21.2% | 22.8% | 15.6% |
| 2024年実績 | 22.5% | 24.7% | 12.1% |
| 2025年実績 | 24.2% | 25.6% | 12.5% |
※ 各年実績は4月時点 小数点第2位を四捨五入
重点テーマ3 地球環境保全・気候変動の緩和と適応への貢献
基本的な考え方
2015年12月に採択されたパリ協定では、世界的な平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃よりも十分に低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することが、世界共通の長期目標として設定されました。この目標の実現のために2050年までのネットゼロ/カーボンニュートラルの達成が求められています。地球規模の気候変動は、当グループの事業活動にとって事業継続のリスクであると同時に、新しい活動の機会でもあると考え、資産運用を含む事業活動でCO2排出量ネットゼロ達成に向け取組みを強化しています。
また、2022年12月には新たな生物多様性に関する世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、2030年までに、自然を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め反転させるための緊急の行動をとるというターゲットが示されました。当グループでは、自然資本に関する情報開示の重要性が高まっていることを受け、2024年9月に「TNFD Adopter」に登録し、生物多様性を含む多様な社会課題・テーマに応じた投融資、エンゲージメントも推進しています。
地球環境の保全や低炭素・脱炭素社会への移行と気候変動への適応のためには、産業構造の大規模な転換や私たちの行動様式の変容が必須であり、私たちT&D保険グループも社会の一員として自らの役割を果たすことが求められていると認識しています。T&D保険グループは事業活動における環境への取組姿勢を明確に示すため「T&D保険グループ環境方針」、および資産運用におけるESG投資に対する取組姿勢を示すため「T&D保険グループESG投資方針」を制定しています。企業活動に際して、環境問題の重要性を十分認識し、地球環境の保護に配慮して行動することを役職員へ周知徹底し、社会とともに持続的成長を遂げ、生命保険業等の公共的使命と企業の社会的責任を果たします。
TCFDに基づく気候関連財務情報の開示
金融安定理事会(FSB: Financial Stability Board)によって設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD: Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は、気候変動がもたらすリスクと機会について明確で比較可能、かつ一貫した情報開示のための提言を策定し、2017年6月に公表しました。気候変動は地球規模の課題であり、その影響は世界の経済行動と社会の変化を通して人々の暮らしに大きな影響を及ぼします。T&D保険グループはTCFDの提言に賛同を表明するとともに、わかりやすい気候関連財務情報の開示に積極的に取り組んでいきます。
* 詳細はhttps://www.td-holdings.co.jp/csr/csr-policy/tcfd.phpに掲載しています。
環境負荷低減への取組み
環境への取組み
CO2排出量の削減
当グループのCO2排出量(Scope1+2)は、その9割以上が使用電力に由来しています。そのため、電力使用量の削減目標の設定によるエネルギー使用量の抑制と、再生可能エネルギーの導入推進により、CO2排出量の削減に努めています。
節電への取組み
当グループでは、5月から10月までの間、オフィス内の冷房温度を原則28度に設定する「クールビズ」を、11月から3月までの間は室温を原則20度に設定する「ウォームビズ」を実施しています。また、オフィス内および使用していないエリア(会議室・廊下など)の消灯、減灯を実施し、節電を図り地球温暖化防止に努めています。
ライトダウンキャンペーン
当グループでは、グループ役職員一人ひとりの環境に対する意識を向上する取組みとして、年に2回、執務室などの一斉消灯を呼びかけるキャンペーンを実施しています。2024年度は7月と12月に実施しました。今後も地球温暖化防止に貢献できる年2回の一斉消灯の取組みを継続していきます。
森林保全活動
「太陽生命の森林(もり)」における森林保全活動 太陽生命
太陽生命では、国内3カ所に「太陽生命の森林(もり)」を設置し、社員の手による森林保全活動を展開しています。
- 太陽生命の森林(もり)(栃木県那須塩原市)(2006年3月設置)
塩那森林管理署ほかの協力を得て、間伐や林道整備などを行っています。また、公益財団法人日本ダウン症協会のご家族をお招きして、「森林教室」を開催しています。 - 太陽生命くつきの森林(もり)(滋賀県高島市)(2007年11月設置)
NPO法人麻生里山センターと連携し、アカマツ林の保全やビオトープ整備などを行っています。さらに地元小学校と協働し、どんぐりから苗木を育てて卒業時に植樹を行う「どんぐりプロジェクト」を実施しています。これらの取組みが評価され、2023年10月には環境省より「自然共生サイト」に認定されました。 - 太陽生命の森林(もり)上山市西山エリア(山形県上山市)(2024年6月設置)
西山ふるさと公園管理協力会の協力を得て、遊歩道の整備やホタルの生息地の環境整備などを行っています。


| 設置森林名 | 太陽生命の森林(もり) (栃木県) |
太陽生命くつきの森林(もり) (滋賀県) |
太陽生命の森林(もり) 上山市西山エリア (山形県) |
|---|---|---|---|
| 設置年月 | 2006年3月 | 2007年11月 | 2024年6月 |
| 面積 | 約4.8ha | 約12.7ha | 約8.0ha |
| CO2吸収量 | 18t(林野庁評価) | 87t(高島市評価) | — |
地球環境の保護分野におけるグループ目標(KPI)の設定
T&D保険グループは、地球環境の問題の重要性を十分認識し、地球環境の保護が私たちにとって重要な課題であると位置付けています。この認識のもと、「CO2削減目標」「電力使用量」「事務用紙使用量」「グリーン購入比率」の4つの指標をグループとして取り組む環境負荷低減の目標(KPI:Key Performance Indicator)と位置付け、幅広い企業活動を通じ目標の達成に向け行動しています。また、「CO2削減目標」はグループ長期ビジョンの「非財務KPI」に位置づけています。
グループ共通「CO2削減目標」
- CO2排出量を、2025年までに40%削減、2030年までに70%削減することを目指す。(SCOPE1+2、2013年度比、床面積当たり)
4つの指標の「目標と実績」についてはサステナビリティライブラリー「環境に関する取組み」の「グループ共通目標・実績データ」をご参照ください。
重点テーマ4 投資を通じた持続可能な社会への貢献
基本的な考え方
生命保険業を事業の中心とする当グループにとって、投資を通じて持続可能な社会の実現に貢献することは、最も基本的な役割の一つと考えています。
長期の資金を運用する機関投資家が、各種の社会課題の解決や、持続可能な社会の実現に向けて果たす役割は大きいと認識しており、環境・社会・企業統治に配慮した投資を行うことで、安定した利益の獲得とともに、社会の持続的・安定的な成長に貢献することを目指しています。
T&D保険グループESG投資方針
T&D保険グループの経営理念「Try&Discover(挑戦と発見)による価値の創造を通じて、人と社会に貢献するグループを目指します。」のとおり、資産運用においても、長期に安定的な収益を確保するとともに、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。責任ある機関投資家として、環境・社会・企業統治に配慮した投資を行うことが重要と考えており、当グループのESG投資に対する姿勢を「T&D保険グループESG投資方針」に定め、公表しています。
* 詳細はT&D保険グループESG投資方針に掲載しています。
責任投資レポート
当グループの、責任投資への姿勢や取組みをステークホルダーのみなさまにより深くご理解いただくため、「責任投資レポート」を作成しています。
責任ある機関投資家としての取組み
責任投資原則(PRI)への署名
太陽生命、大同生命、T&Dアセットマネジメントの3社は、国連が支援する責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)*に署名しています。
太陽生命
太陽生命は、機関投資家として社会的責任をより一層果たしていくためには、投融資活動を通じて社会や環境により良い影響を及ぼし、持続可能な社会の実現に貢献していくことが不可欠であると考えています。こうした考えのもと、2007年3月、責任投資原則(PRI)に日本の生命保険会社として初めて署名しました。太陽生命は、同原則に基づき、環境・社会・企業統治(ESG)の課題を十分に考慮し、持続可能な社会の実現に向けた資産運用を推進しています。
大同生命
大同生命は、責任投資原則(PRI)の趣旨に賛同し、2016年11月に署名機関となりました。同原則に基づき、環境・社会・企業統治(ESG)の課題を考慮した投融資を推進していくことで、持続可能な社会の形成に貢献しています。具体的には、気候変動問題の解決や社会インフラ整備等に資する企業・事業への資金供給を目的とした投融資、および企業分析等の投融資プロセスにESG要素を取り入れた資産運用の取組み等を進めています。
T&Dアセットマネジメント
T&Dアセットマネジメントは、投資運用業を営む機関投資家として受託者責任を果たすにあたり、責任投資原則(PRI)の趣旨に賛同し、2012年3月に署名機関となりました。本原則に則り、投資プロセスにおいて環境・社会・企業統治(ESG)にかかる課題を含む投資先企業の状況を十分に把握し、建設的な対話(エンゲージメント)や議決権行使などを通じて企業の持続的な成長を促すことにより、お客さまからお預かりした資産の中長期的な投資リターンの拡大を目指しています。
各社のPRIの取組状況は、PRI Transparency Report(英文)で報告しています。下記にご覧になりたい会社名を入力して検索してください。
WEB https://www.unpri.org/searchresults?qkeyword=&PageSize=10¶metrics=
* 責任投資原則(PRI)は、2006年に国連事務総長であったコフィー・アナン氏が世界の金融業界に対して提唱した行動規範です。なお、同原則には、世界で5,000超、日本では124の金融機関等が署名しています(2023年8月現在)。
注力分野の取組み
注力分野 1:脱炭素社会への貢献
ファイナンスド・エミッション(投融資先のCO2排出量)削減目標
T&D保険グループは、責任ある機関投資家として、ファイナンスド・エミッションについて下記のとおり排出量削減目標を設定しています。
| 2030年度 | 50%削減(2020年度比) |
|---|---|
| 2050年度 | ネットゼロ |
※
太陽生命、大同生命の保有資産のうち、国内上場企業が発行する株式・社債・融資が対象
削減目標は、原単位(投資額当たりのCO2排出量)で設定
目標達成に向けた取組み
太陽生命・大同生命は、ファイナンスド・エミッションの削減、ネットゼロの実現に向け、気候変動をテーマとした建設的な対話(エンゲージメント)を続けるとともに、脱炭素をテーマとするファイナンス案件への取組みを通じて、気候変動問題に取り組む投融資先を資金面からも後押ししています。
投融資先との対話
CO2排出量上位の投融資先を対象に、排出量の削減目標や目標達成に向けた行程表(ロードマップ)の公表など、情報開示の充実を要請しています。また、削減に向けた取組みや進捗に関する意見交換を行い、認識の共有を図ることで、投融資先への長期的な支援や働きかけを行っています。
テーマ型投融資を通じたファイナンス面の貢献
長期の資金を運用する機関投資家である当グループは、気候変動などの長期的な課題解決を進める投融資先に対して、安定的に資金を提供することが可能と考えており、脱炭素に向けた投資等を資金使途とする「グリーンファイナンス」「トランジションファイナンス」などに積極的に取り組むことで、気候変動問題に取り組む企業を資金面から後押ししています。
CO2多排出企業への投融資は、一時的には投融資ポートフォリオのCO2排出量を増加させる要因となる可能性がありますが、長期的には企業の脱炭素に向けた取組みを促進し、社会全体のネットゼロ目標の達成に貢献できるものと考えています。引き続き、投資の効果・実効性等を考慮しながら、テーマ型投融資に取り組んでいきます。
ファイナンスド・エミッション(投融資先のCO2排出量)
2024年度末における太陽生命、大同生命の投融資先ポートフォリオのCO2排出量の状況は下表のとおりです。
- ネットゼロに向けた中間目標の対象としている「国内上場企業発行の株式・社債・融資」の排出量(原単位)は、0.59トン/ 百万円となり、2020年度(1.14トン/ 百万円)から48.2%の削減率となりました。
- 2030年に50%の排出量削減を目指す中間目標に対して、順調に進捗しています。
- 今回より「海外上場企業発行の株式・社債・融資」の排出量計測を実施し、CO2排出量は0.3万トンとなりました。
- 2022年12月にPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)によって、国債における温室効果ガス排出量の計測方法が公表されたことを踏まえ、国債投資によるCO2排出量の計測を行っています。
- 2024年度末の国債ポートフォリオのCO2排出量は、674万トンとなりました。
| 対象資産 | 対象残高 | CO2排出量 | 原単位(トン/百万円) |
|---|---|---|---|
| 国内上場企業発行の株式・社債・融資 | 2兆6,443億円 | 156万トン | 0.59 |
| 海外上場企業発行の株式・社債・融資 | 1,356億円 | 0.3万トン | 0.02 |
| 内外政府が発行する国債 | 5兆3,144億円 | 674万トン | 1.27 |
| 合計 | 8兆944億円 | 831万トン | 1.03 |
* 生産ベース排出量(土地利用、土地利用変化および林業から排出される排出量を含まない)に基づくもの
国内上場企業発行の株式・社債・融資を対象としたCO2排出量の推移

T&Dアセットマネジメントの状況
- T&Dアセットマネジメントの運用資産に帰属するCO2排出量の状況は下表のとおりです。計測対象は、2024年度末基準で保有する上場企業(国内・海外)の株式・社債、内外国債となります。
- T&Dアセットマネジメントにおいても、エンゲージメント等の活動を通じてファイナンスド・エミッションの削減に向けた取組みを後押しし、脱炭素社会の実現に向けた貢献を目指していきます。
| 対象資産 | 対象残高 | CO2排出量 | 原単位(トン/百万円) |
|---|---|---|---|
| 国内上場企業発行の株式・社債 | 1,492億円 | 7万トン | 0.50 |
| 海外上場企業発行の株式・社債 | 161億円 | 1万トン | 0.63 |
| 内外政府が発行する国債 | 1,997億円 | 25万トン | 1.24 |
| 合計 | 3,650億円 | 33万トン | 0.91 |
* 生産ベース排出量(土地利用、土地利用変化および林業から排出される排出量を含まない)に基づくもの
ネットゼロに向けたロードマップ
注力分野 2:生物多様性への対応・保全
自然関連リスク分析
自然関連に関する情報開示の重要性が高まっていることを受け、当グループでもTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークに即した対応を進めており、2024年9月に、「TNFD Adopter」に登録しました。当グループにおける自然に係る組織のガバナンス体制については、P.58に記載のガバナンス内容と同様に対応しています。また、LEAPアプローチ*1に則して投融資先企業の自然関連リスクについて分析を実施しました。
*1 LEAPアプローチとは自然との接点、自然との依存関係、インパクト、リスク、機会など、自然関連課題の評価のための統合的なアプローチのこと。スコーピングを経て、Locate(発見する)、Evaluate(診断する)、Assess(評価する)、Prepare(準備する)のステップを踏み、TNFD情報開示に向けた準備を行う。
分析方法
- 本分析では、自然リスク評価ツールENCORE*2の依存・影響モデルに従って、業種ごとの依存度・影響度を定量化。
*2 ENCOREとは、自然資本ファイナンスアライアンス(NCFA)、国連環境計画等の国際機関等が共同で開発した、投資先企業の自然資本に対する依存と影響を評価するための分析ツール。
分析結果
- 依存:
- 依存度の高い自然資本は「陸上自然学」「構造と生物的完全性」という結果であった。
- 影響:
- 「攪乱(騒音、光など)」「水・土壌への有毒汚染物質の排出」の影響が大きいという結果であった。
新たに投融資比率が高く、依存・影響の大きい「資本財・サービス」「不動産」セクターから選定した企業のバリューチェーンにおける自然関連リスクの分析を実施しました。また、選定した企業の拠点に関する自然関連リスクの分析(ロケーション分析)も行っており、自然資本・生物多様性への取組みについて対話等に活用していきます。
*3 バリューチェーン分析の詳細は、責任投資レポート(P.79)からご覧いただけます。
機関投資家としての取組み
Springへの参画
生物多様性に関する協働エンゲージメントを行う国際イニシアティブ「Spring」に「Endorser(賛同者)」として参画を表明しました。(2024年1月)

注力分野 3:人的資本・ダイバーシティへの取組み
- T&D保険グループでは、事業活動が人権に対して影響を及ぼす可能性があることを認識し、「T&D保険グループ人権方針」に基づき、すべてのステークホルダーの人権を尊重した事業活動を推進しています。
- 投融資先企業においても、人権尊重に向けた取組みが企業価値の維持・向上につながると考えており、テーマ型投融資の推進や、エンゲージメントを通じた企業の人権への取組みの促進等を行っています。
T&D保険グループ人権方針(抜粋)
人権尊重の基本的な考え方
私たちは、当社グループの経営理念に掲げる「価値の創造を通じて、人と社会に貢献する」ことを目指し、事業に関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重する責任を果たします。
私たちは国際的に認められる人権の規範として、「国際人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」に規定された人権を尊重するとともに、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」および国連グローバル・コンパクトの署名企業としてその10原則を支持しその実践に取組みます。
(参考)T&D保険グループ人権方針
https://www.td-holdings.co.jp/csr/csr-policy/human-right-policy.php
機関投資家としての取組み
人権尊重やジェンダー平等に資するテーマ型投融資
- 「 独立行政法人国際協力機構(JICA)」が発行する「ジェンダーボンド」への投資や、人的資本経営を促すインパクトファイナンスローンへの資金拠出などに取り組んでいます。

Advanceへの参画
- 人権に関する協働エンゲージメントを行う国際イニシアティブ「Advance」に「Endorser(支援者)」として参画を表明しました。(2022年9月)

エンゲージメントの実施
- 投融資先の人権方針の策定・人権デューデリジェンスの実施状況および開示状況を確認し、より一層の取組みに向け、働きかけを行いました。
投資判断へのESG要素の反映
T&D保険グループの各社では資産運用を行うにあたって、ESG課題を考慮することを基本姿勢の一つとしており、グループ各社の資産運用規程にも明記しています。グループ各社ではすべての運用資産においてESGの課題を考慮した資産運用を推進するため、「ESG投融資に関連する基準・ガイドライン」を定めており、下記のESG投融資手法を運用資産の特性に応じて活用しています。
資産運用プロセスにおけるESG等の非財務情報の活用( インテグレーション)
太陽生命・大同生命は、投融資判断の際に、投融資先企業の財務情報に加え、ESG等の非財務情報に関する分析・評価を取り入れることで、長期的な投資成果の向上とともに、持続可能な社会の実現に向けた機関投資家としての使命を果たすよう努めています。
投融資判断へのESG評価の組み込み
上場株式や社債、融資、不動産およびプロジェクトファイナンス等の投融資の際に、ESGに関する取組み等を評価し、投融資判断に組み込んでいます。
ESGインテグレーションを活用した企業評価・投資判断(例)
| 対象資産 | 従来の投資判断要素の例 (財務情報等) |
「ESGインテグレーション」で考慮する要素の例 (非財務情報) |
|
|---|---|---|---|
| 上場株式 社債・融資 |
|
業種特性に応じたESG課題への対応 | |
| ESGスコアの活用 | |||
| 重要課題の定量評価による スクリーニング |
|
||
| プロジェクト ファイナンス |
|
プロジェクトの公共性 | 地域社会における施設の重要度 |
| 創出インパクト | CO2排出量削減への寄与 | ||
| 不動産 |
|
環境への配慮 |
|
| 地域社会への貢献 | 公共性の高い施設や設備の導入 | ||
| 外部委託 |
|
スクリーニング基準の有無・内容等 | |
| ポートフォリオのCO2排出量目標 | |||
| PRI原則への対応 | 署名状況や透明性レポートの確認等 | ||
ネガティブスクリーニング
ESGの観点から好ましくない企業・事業を投融資対象から除外する、ネガティブスクリーニングの手法を導入しています。
現状のネガティブスクリーニングの対象は以下のとおりですが、今後も、環境や社会に関する国際的な関心・動向を踏まえ、対象の追加・見直しを継続していきます。
非人道的兵器製造企業の排除
人道上の懸念が大きいことを踏まえ、特定の兵器製造企業(クラスター爆弾、生物・化学兵器、対人地雷、核兵器等の製造企業)への投融資を禁止しています。
環境負荷の大きい事業への投融資姿勢
化石燃料の消費は、気候変動や大気汚染などの環境問題に重大な影響を与える主要な要因の一つであり、当グループは、石炭火力発電事業や石炭採掘事業への新規の投融資を実施しない方針としています。ただし、二酸化炭素回収・貯留(CCS)、利用(CCUS)の新技術の開発や実用化など、環境負荷の低減につながる案件が出てきた場合については、投融資の検討対象とする可能性があります。このほか、気候変動や生態系への影響が大きい北極圏(北緯66度33分以北の地域)における石油・ガス採掘事業や、伝統的な石油と比較して抽出・精製時の環境負荷の大きいオイルサンド採掘事業についても、新規投融資を実施しない方針としています。
対象資産とスクリーニング内容一覧
| 対象となる取引 | スクリーニング内容・除外される業種 |
|---|---|
| 企業向けの投融資・取引 | 反社会的勢力等が関係する企業 |
| 特定の兵器製造企業 (クラスター爆弾、生物・化学兵器、対人地雷、核兵器等の製造企業) |
|
| パーム油生産企業(RSPO認証取得企業を除く) | |
| 事業・企業に対する 新規投融資 |
石炭火力発電関連事業 |
| 石炭採掘事業 | |
| オイルサンド採掘事業 | |
| 北極圏野生生物国家保護区での石油・ガス採掘事業 | |
| 重大な不祥事が発生している企業 |
テーマ型投融資
太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命の3社は、ESGの課題を考慮し、持続可能な社会の実現に貢献できるテーマを持った投融資に取り組んでいます。テーマ型投融資の取組累計額は2024年度末時点で11,000億円となりました。
テーマ型投融資累計額

主なテーマ型投融資案件
| 投融資領域 | 具体的な投融資案件 | |
|---|---|---|
| E 環境 |
グリーンボンド | 再生可能エネルギー発電事業やエネルギー効率化事業等への資金供給を目的に、地方自治体や事業会社など、さまざまな発行体が発行するグリーンボンドへの投資を行っています。 2024年度は、「近鉄グループホールディングス株式会社」が発行したグリーンボンド等への投資を行いました。 |
| トランジション・ファイナンス | 脱炭素社会の実現を目指し、環境負荷の高い事業活動の脱炭素・低環境負荷型への移行を資金面で支援する「トランジション・ファイナンス」に取り組んでいます。 2024年度は、「マツダ株式会社」が発行したトランジションボンド等への投融資を行いました。 |
|
| 再生可能エネルギー関連ファイナンス | 地球環境保護や省エネルギーに貢献できる大規模な太陽光や風力発電事業向けの投融資等を行っています。 2024年度は、環境配慮型アパートローン等への投融資を行いました。 |
|
| S 社会 |
ソーシャルボンド | 社会課題の解決、地方創生・地域活性化等を目的に、ソーシャルボンドへの投資を行っています。 2024年度は「独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構」が発行するソーシャルボンド等への投資を行いました。 |
| ESG 複合 |
サステナビリティボンド | 環境課題および社会課題の解決を目的にサステナビリティボンドへの投資を行っています。 2024年度は、「株式会社ちゅうぎんフィナンシャル・グループ」が発行するサステナビリティボンド等への投資を行いました。 |
| サステナビリティ・リンク型商品 | 企業のCO2排出量の削減目標の達成状況等に応じて、金利等の条件が変動する仕組みを有するサステナビリティ・リンク型商品への投融資にも取り組んでいます。 2024年度は、「株式会社クレディセゾン」や「東京センチュリー株式会社」向けのサステナビリティ・リンク・ローン等に取り組みました。 |
|
| インパクト投資 | 投資リターンと社会的インパクト創出の両立を目指すインパクト投資に取り組んでいます。2024年度は、エネルギー分野・輸送分野・社会関連分野に関わる企業に投資する「ベンチャーファンド」、グローバルで再生可能エネルギー・脱炭素関連資産への投資を行い、経済的価値に加え、環境的・社会的なインパクトの創出を目標とするファンド等への投融資を行いました。 | |










