写真:森山 昌彦

事業を通じて社会課題を解決し、
「共有価値の創造」の実現により
「 世の中のしあわせ」を生み出す

~SDGs経営と価値創造~

株式会社T&Dホールディングス
代表取締役社長
森山 昌彦

グループ長期ビジョン/SDGs経営と価値創造

当社グループでは、中長期的な目指す姿とその到達に向けた戦略方針を示す、『グループ長期ビジョン「Try & Discover2025」~すべてのステークホルダーのしあわせのために~』のもと、「保険を通じて、“ひとり”から、世の中のしあわせをつくる。ていねいに向き合い、大胆に変えるグループへ。」という経営ビジョンの実現に向け、「5つの重点テーマ」に取り組んでいます。それらの重点テーマの1つに「SDGs経営と価値創造」を掲げ、社会的価値の創造を定量的に測る「非財務KPI」を設定し、経済的価値と社会的価値の双方を創出する「共有価値の創造」に取り組んでいます。

「共有価値の創造」に向け、当社グループは事業活動に関わるさまざまなサステナビリティの分野から、社会にとっての重要度が高く、事業との関連が大きい社会的課題の優先度を確認し、重点的に取り組む4つの「サステナビリティ重点テーマ」を以下のように定めています。

<サステナビリティ重点テーマ>

  1. 健康で豊かな暮らしの実現
  2. 多様な人材が活躍できる環境づくり
  3. 地球環境保全・気候変動の緩和と適応への貢献
  4. 投資を通じた持続可能な社会への貢献
図:T&D保険グループCSR/サステナビリティの軌跡
  2004 T&Dホールディングス設立
  2005 CSRレポート発行
  2006 グループCSR憲章施行
  2007 国連責任投資原則(PRI)署名/太陽生命
  2011 グループCSR委員会設置
  2012 国連責任投資原則(PRI)署名/T&Dアセットマネジメント
  2014 21世紀金融行動原則署名
  2015 国連グローバル・コンパクト署名、パリ協定採択、SDGs合意
  2016 国連責任投資原則(PRI)署名/大同生命
  2017 GPIFがESG投資を開始、TCFD提言
  2019 グループCSR委員会をグループSDGs委員会に改編
  2020 気候変動リスク対応専門部会設置、グループ人権方針制定
  2021 グループ長期ビジョン策定、グループEFS投資方針制定
  2022 T&D保険グループサステナビリティステートメント制定、RE100に参加
  2023 本社ビルで使用する電力を100%再生可能エネルギー化
健康で豊かな暮らしの実現

当社グループがコアビジネスとしている生命保険事業は、相互扶助を理念とする公共性の高い事業であり、お客さまに長期の安心・安全を提供するサステナブルな事業でもあります。少子高齢化の進展をはじめ社会の変化により生じるお客さまの様々なリスクを解決していくことは、当社グループの使命であると同時に、成長の機会でもあります。お客さまの健康で豊かな暮らしを実現することにより世の中にプラスの影響を及ぼし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

多様な人材が活躍できる環境づくり

当社グループは人的資本の向上に取り組んでおり、「自ら考え、能動的に行動し、期待される成果を出せる自律型人材」を育てるという人材育成方針のもと、グループの成長を牽引するリーダー層の育成や成長のための教育機会の提供、女性の活躍支援等を推進しています。性別に関わらず、すべての従業員が安心していきいきと働くことができるよう、ダイバーシティの推進や健康経営の実践、ワーク・ライフ・バランスの充実などの環境整備も多面的、継続的に進めています。当社グループは、ともに働く「人材」こそが、グループ経営理念の実現に向けた事業活動を担う、最も大切にすべき最大の原動力であると位置づけ、人材マネジメントの基本方針として「グループ人材方針」を制定しています。高度な専門性・知識・スキルを持つ人材を確保・育成し活躍できる場をつくることで、グループの持続的な成長に繋げていきます。

地球環境保全・気候変動の緩和と適応への貢献

当社グループは脱炭素社会の実現に向けた取組みを進めています。
具体的施策として、グループ長期ビジョンの非財務KPIのひとつに「CO2排出量」を設定し、その削減を進めています。生命保険事業をコアビジネスとする当社グループの特性として、自社排出CO2の大半は使用電力に由来しています。そのため、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際的なイニシアティブ「RE100」に加盟し、再生可能エネルギー由来の電力使用を推進しています。早期のネットゼロ達成を目指し、まずはグループ長期ビジョンの最終年度である2025年度に向けて、CO2排出量の削減を加速しています。

投資を通じた持続可能な社会への貢献

責任ある機関投資家として、環境・社会・企業統治に配慮した投資を行っています。投融資先のCO2排出量についても2030年度を達成期限とする中間目標を設定し、その削減に取り組んでいます。この目標達成のため、エンゲージメントにより投融資先企業の脱炭素対応推進を促すとともに、脱炭素に向けた投資等を資金使途とするファイナンス案件への取組みを通じて、気候変動問題に取り組む投融資先企業を資金面からも後押ししています。

また、生物多様性の保全に配慮した事業活動を実施すべく、自らの事業に関連する生物多様性リスク・機会の分析も開始しました。

機関投資家としての資産運用業務は、経済の発展やサステナブルな社会の実現にも密接に関わっています。当社グループは、自らの業務を通じて持続可能な社会の実現に貢献していきます。

人権尊重の取組み

これらすべてのサステナビリティ重点テーマに共通する概念として、「T&D保険グループCSR憲章」に「人権の尊重」を掲げ、グループ役職員ならびにすべてのステークホルダーの人権を尊重した事業活動を推進しています。具体的な行動として、「T&D保険グループ人権方針」を定め、当社グループの事業活動が影響を及ぼす可能性のある人権に対する負の影響を特定し、予防・軽減するために「人権デューデリジェンス」を実施しています。特に、従業員が十分に能力を発揮できる職場環境の維持・向上のため、「長時間労働」と「ハラスメント」を人権デューデリジェンスの重点確認事項と定め、人権課題の特定と是正に取り組んでいます。今後も人権デューデリジェンスを継続的に実施し、人権尊重に向けた対応を進めていきます。

T&D保険グループが目指す姿

SDGs経営に取り組み、社会課題を解決していくことは、当社グループが目指す「共有価値の創造」を実現し、「世の中のしあわせ」を生み出すことにつながるものと考えています。私たちT&D保険グループは、社会とともに持続的に成長することを目指し、これからも一歩一歩、その歩みを重ねていきます。

2024年4月